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HPのこと

 この度、研究室HP抜本的リニューアルを行ったわけであるが、それを記念してHPについて少しささやいてみる。

 

 思い起こせば、ちょうど6年前の4月吉日(?)に本学に赴任したわけであるが、赴任当初は、がらんとした実験室の片隅に机を置いて、毎日毎日、前任地からもってきた実験器材などを段ボール箱(新得の農協でまとめ買いした「北海道産新じゃが」と書かれている小降りの段ボール箱だったなあ〜)から取り出して、実験室のあっちの隅にポン、こっちの隅にポンと置いてはため息をついていた・・・・・

(この頃の落涙秘話はこのサイトをポチしてね)

 

まだ、配属学生もおらず、研究費や器材の関係で実験も始められず、まさに、


♪研究費という字〜書いてみては〜震えてた〜あのころ〜♪

(村下孝蔵「初恋」のメロディーでどうぞ)


という毎日ではあったが、ゴールデンウィークも明けて、段ボール箱から取り出す器材もなくなり、あっちの隅においていたシャーレを、こっちの隅にポン、かわりにこっちの隅のピペットチップをさらにあっちの隅にポンと、まるでハム太郎がヒマワリの種を運ぶがごとくの毎日を続けていたのである。

 

 私の所属する課程の研究室配属は、3年生の後期、すなわち10月からであり、3年生達は初夏を迎えるころには、「あの先生んとこいいんじゃね?こっちの研究室もいいんじゃね?」みたいなモードに入るわけである。

 

 そんな「じゃね?じゃね?」感が農学部3号館の廊下に満ちあふれだしたころ、ようやく自分自身が置かれている危機的状況に気付いたわけである。私の危機的状況とは、ずばり、自分たちが講義も受けていないどこの馬の骨だか牛の糞だかもわからんような新任の教員の研究室に配属を希望する学生がいるか否かであり、荷物をこっちの隅からあっちの隅へ一緒にポンしてくれる学生が1人も確保できないんとちゃうか?というものであった。そもそも私の存在を知らない3年生がいるんとちゃうやろか?

 

 ようやくここで、毎日朝から「とっとこハム太郎」をしている場合やない!と気付いたのである。ない知恵をどうにか絞った結果、「そうだ!研究室のPRのためにHPを作ろう!」となった。「そうだ!」と膝をたたいたまではよかったのだが、PC音痴を自他ともに認めている私が、HPを自分で作るというのは、かなりの困難が予想された・・・・・

 

 余談であるが、私は、全ての人間はPC音痴かそうでないかの2つのタイプにクッキリとわかれると思う。PCの世界が、2進法、すなわち0か1かの世界であるように・・・・・もちろん私は、ゼロ型人間(?)である。けれども、この世の中はうまくできていて、ゼロの人の机の隣には1の人が必ずいるのである。北海道時代もそうだったし、半年間、TG技術の習得のためお世話になった阪大微研でもそうであった。阪大では、研究室のボスである岡部勝先生直々に私のPCを大学のサーバーにつないでもらったり、e-mailの設定をしてもらったり、今から思うと誠に恐れ多いゼロ野郎であった。

 

 つまりは、「そうだ!」と、膝をたたいてから数週間、あまりにも何をしたら良いのかがわからずに、あいも変わらず「とっとこハム太郎」に励んでいたわけである。

 

 そんなある日、大学の生協のPC関連売り場を眺めていたら(あくまでも眺めるだけである、当時の私は、1本ん万円のソフトを購入するほど研究費に余裕がなかった)、「あなたにも簡単にHPが作れちゃう!ホームページビルダー Ver.11」というソフトが目についたのである。

 

 「作れちゃう!」のか?「私でも!」と、恐る恐るパッケージに手をのばし、すばやく値札をチェックすると、「私にも買えちゃう!」値段であった。この「ちゃう!ちゃう!」感にのせられて、ホームページビルダー Ver. 11を「買っちゃう!」という英断をくだし、その日から、「大好きなのは〜ヒマワリの種〜♪」と口ずさむかわりに、「私でも!HP作れちゃう!」とつぶやきながら、HPを作り出しちゃう日々に突入したわけである。

 

 確かに、このソフト、なんとか作れちゃうわけである、HPが。ただし、コンテンツというか、HPにのせるべきネタがあまりにも少なく、これはむしろPRとしては逆効果になるんとちゃうやろか?あまりにも寂しすぎて、敬遠されるんとちゃうやろか?・・・・・と、違う意味での「ちゃうちゃう」感に悩み始めたのである。

 

 「メンバー」コンテンツでは、当然、メンバーは自分一人・・・・・しゃあないので、お気に入りのアロハを来て、子供の遊具にまたがり睨みをきかせる自分の写真を掲載するにいたって、もう、「素」でいくしかないと妙な境地に達したわけである(この写真は、実はお気に入りで、リニューアルHPの私の詳細Plofile過去の標語Upされていますので、是非チェケラッちょ!)

 

 そうして、なんやかんやとコンテンツを埋めて行き、HPをホンマに作っちゃって、学内サーバーにUpしちゃったわけである。自分で言うのもなんなんですが、結構、満足のいくできで、もうこれでこの10月には、ハム太郎「2号」と「3号」、うまくいけば「4号」もゲットできるんとちゃうやろか?と獲らぬハム太郎の皮算用をしながら、研究室配属をまったのである。(ちなみに「1号」はもちろん私である)

 

 で、結局、ふたをあければ「4号」は無理であったが、「2号」と「3号」を無事にゲットでき、10月からは「1号」、「2号」、「3号」で3匹仲良く、シャーレをあっちの隅にポン、こっちの隅にポンする日々が始まったのである。

 

 で、さぞや「2号」と「3号」の獲得にあたってはこのHPが威力を発揮したのかとお思いのことであろう。しかし、現実はそう甘くないのである。「2号」と「3号」曰く


「へっ、うちの研究室にHPなんてあったんですか?!」

 

 けれど、この「2号」と「3号」が大変頑張ってくれたおかげもあり、なんとかかんとか研究室としての体制も整い、「あっちの隅にポン」生活とも無事におさらばできた。その次の年からも、「4号」「5号」と途切れずに私の研究室を選んでくれて、去年の秋には「17号」を数えるにいたったのである。まさに感謝以外のなにものでもない・・・・・

 

 そんな効果のほどは定かではないHPであるが、なんだか最近、少しマンネリ化してきたなと感じることが多くなった。また、学内サーバー環境の問題や、あれだけ「作れちゃう!」と喜んだHP作成ソフトの機能にも、少なからず不満がでてきて、ここ1年は、満足に更新もできなかった。

 

 このままじゃ、いかん!と一大決心をして、この研究室HP心機一転リニューアルにいたったわけである。

 

もちろん、まだ見ぬ「18号」の獲得のためでもある・・・・・

 

澤井 健

2013年 4月吉日